キアーロ・スクーロ
3連休も終わってしまいますね>< みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
今日は、ちょっとだけキアーロ・スクーロについて。
キアーロ・スクーロとは、日本語で明暗法と言ったりします。もともと絵画で使われる用語のようですが、声楽でもよく使います。
声には、キアーロ(明るい)な要素と、スクーロ(暗い)な要素が混在しているという概念です。
このことを知ったから発声がどうこうということはありません。強いて言えば、発声するときはいつもキアーロに考えてます。
この概念が示唆する重要なことは、むしろ指導の場においてです。
「貴方の声は暗いから、もっと明るい響きで。暗くしないで。」
こういう指導はよくあるし、これ自体は正しいのですが、ともすると、”明るい声が正しくて、暗い声は間違い”という価値基準を生徒に与えがちです。
明るい声は、裏を返せば浅い声にもなりやすい。
暗い声は、裏を返せば深い声の要素になる。
「貴方の声は浅いから、もっと深くして」
さて、生徒は混乱します。明るくしたいけど、深くならない、どうして?深くしたら暗いって言われる!
そうならないように、このことを先生は注意深く言葉を選んで説明してあげる必要があると思います。
でも、残念ながらそこまできちんと補足して説明してくれる人はまずいないと思った方がいい。
声がキアーロに偏るときは支えに問題があり、スクーロに偏るときは呼吸法に問題がある。これは、私がレッスンしていて感じることです。
私のレッスンの中では、明るい・暗いとセットで、支えや呼吸のことをやります。
もっとも最悪で救いようのない指導は、深い声を作らせようとして「喉仏を下げて」「喉の奥を拡げて」とかいうやつですね。これで深い声が出るなら先生はいらんわ。
もし貴方の先生がそうであったら、悪いことは言いません。別の先生を探しましょう。