オクターヴ跳躍
口開けハミングの応用編です。
発声練習では、3度、4度、5度くらいの跳躍はよく使うことが多いのですが、意外とオクターヴの跳躍練習はあまりやる機会が無いように思います。
ですが、オクターヴ跳躍の練習は、中級以上の方には非常に有用な練習です。
なぜならば、オクターヴ跳躍をするためには、
・低音と高音を同じ所で歌えている
・適切なアッポッジョを理解している
という条件が揃う必要があり、これはベルカントを勉強する上で極めて重要な要素になるからです。逆に言えばこれができないなら、貴方の発声は少なくともベルカントではありません。
決まったやり方があるわけではありませんが、私の場合、
ド→(オクターヴ上)ド→ド の音型を、「A」と「E」で連続してやっています。
最初に「A」でやるのは理想的なポジションをチェックするため。2個目に持ってくる母音は自分の苦手な母音がいいと思います。
レガートは要りません。息は流したままですが、瞬発力が必要です。この辺言葉では説明に限界があります。
これも私はBくらいまでやります。この練習がストレス無くできる頃には、少なくとも高音が出る出ないで技術的に困ることは無くなっているはずです。
曲中で高音が出なくなる原因にはいくつかありますが、もしこの練習ができるのであれば、上手くいかない原因を特定することが容易になります。それは母音の形であるかもしれないし、フレーズの理解、あるいは、子音の処理かもしれません。とにかく、”条件が揃っていれば絶対に発声できる”ということを身体が理解することは結構重要な気がします。
応用編の練習ですが、「A」での往復にぎこちなさがあるうちはこの練習は時期尚早かと思います。口開けハミングに戻って地道に練習していきましょう。