合唱をやる人
私は声楽を学んでおりますが、合唱も好きです。
・・・こうやって書いて違和感のある人は多分あまりいないと思います。それは、みんなどこかで”合唱と声楽は別物”という考えがあるからでしょう。
声という楽器を使って演奏する芸術、という意味において、声楽も合唱も同じことです。ここで言う声楽は、もっぱらソロによる演奏を指すのは言うまでもありません。
さて、私が疑問に思うのは、合唱をやる人はどれくらい声に対しての関心があるのだろう?ということです。
合唱団というのは基本的に寄せ集めでできていますから、そのモチベーションの個人差も様々です。その中で、私のこの10年の合唱生活から感じる最大公約数的感覚は、「発声が良くなるに越したことはないけれど、それよりも仲間との繋がりや歌そのものを楽しむことを大事にしたい」、こんな感覚です。
もう、これが、私からすると全く受け入れられません。
いや、百歩譲って、演奏会をやらない、もしくは無料でしかやらないっていう団ならそれでもいいと思いますよ。それは、カラオケの延長であって自己満足だから。誰にも迷惑をかけてないし。
だけれども、100円でも入場料を取って演奏会をするならば、お客様にはその対価に見合った演奏を提供しなければ、不誠実だと思います。
「アマチュアだからここまででいい」って線引きをするような人たちに、音楽をやる資格は無いと思いますよ。
もっと言えば、”ここまで努力したからOK”なんてこともあり得ない。対価として求められるのは結果だけです。お客様は合唱団員の努力の過程なんぞに興味は無い。私たちは大人であって、中学・高校生ではないのだから。
私が思うに、世の合唱団員は甘えすぎです。吹奏楽やオケの世界はもっとシビアですよ。ろくに練習もせずに飲んで遊んで騒いでいても何も言われないのは、音楽界に合唱くらいじゃないかと思います。
ちなみに、コンクールに出るような団は少しはマシだろうと見学に行きましたが、こっちはこっちで指揮者を教祖とする宗教団体が出来上がっており、生理的に無理でした。発声もなんだか妙な理屈をこね回してオリジナリティ()を出していました。こりゃダメだ。
そんなこともあってね、私は合唱は好きなんだけれども、合唱団員は大嫌いなんです。音楽に馴れ合いを持ち込まないで欲しい。
だから、合唱団との関わりは、基本的に、私の発声理念に賛同してくださる方へのレッスンのみです。
合唱団にいてせっかくの声の煌めきを潰されていく人をたくさん見てきました。何より、私自身がその被害者でした。
だから、少なくとも、きちんと声の勉強をしたい、もっと良い演奏をしたいと真摯に考えている方たちには、最大限お手伝いさせていただきたいと思っています。
「ふざけんなよ!俺はお前に負けないくらい真剣に合唱やってるぞ!」
もしそんな人がいらっしゃったらぜひ一緒に歌いましょう。いつでもご連絡ください。