声の立体
発声に習熟してくると、自分の歌っている声が立体的に感じられるようになってきます。
それは常に一定ではなく、日によっても変わるし、昼と夜でも変わります。
ですので、ある瞬間に上手くいった立体の形を記憶しておいて、常にそこで歌おうと思っても上手くいきません。立体の形は絶対ではないからです。
立体の感覚はとても曖昧で言葉で表現することが難しいのですが、確かに感じられるものです。
私にとって、この声の立体の感覚は頼りにもなるが、発声を惑わすものでもあり、少々扱いに手を焼きます。
声の立体を構成する要素は、私が思うに次の4つです。
・息の起点
・発音している場所
・響きを確定している場所
・息を通す(吐く)場所
・・・ほら、言葉にするとわけがわからない笑
生徒に発声時の感覚の説明を求められたとき、やむを得ずこの声の図形、立体の話をすることがあります。しかし、この感覚を真似しても多分上手くいかないでしょう。だから、今後は立体の話をするのは控えようと思っています。
同様に、様々な歌手がWeb上で情報を公開していますが、それを真似してもまず上手くいくことはないでしょう。
結局のところ、基本的なことを学習し終えたら、先生に許可されたときの身体の感覚を覚え、その再現率を高めていくしかないのだと思います。
楽器の感覚は、第三者でなく、自分自身で開発していくしかないのですからね。