S君レッスン(1/27)
S君のレッスンでした。
S君は初心者なので、何から教えようか悩ましいです。と言うのも、私の生徒は皆さん初めからある程度歌えてしまう方ばかりでしたから。
ですので、ある意味S君を教えることは、今後私が教師としてどう教えるべきかということにも絡んでくるので楽しいなと思います。
S君は、2、3回体験レッスンしたら辞めるかなーと思っていたのですが、意外にも今後も継続したいということでした。
S君にはまずはファルセットの練習をするように指示してありますが、それだけだとつまらないでしょうから、実声についても教えることにしました。
第1パッサージョがBと思われるので、ハイバリトンだと思います。ただ、まだ明るい母音を理解してませんから、断定はできません。
彼の場合、高音できつくなったらファルセットに切り替えるという歌い方をしていました。つまり、パッサージョが無い。
なので、まずはパッサージョを体験してもらうために、いくつかのコツを伝授しました。
そうしたら、実声で何とかFisまで出せました。
「今までに無い感覚で高音が出ました!!すごいです!」
とか感激してましたが、これはやり方を知っているか知らないかだけの話なので、本当に大変なのはこれからです笑
でも、確かに嬉しいでしょうね。これまで高音はファルセットじゃないと無理と思っていたのに、実声で出るということを体験したのですから。
初心者にとって、「テクニックを使えば高音は出るんだ」という体験をさせるのは重要かもしれません。まずは、今までの「裏声じゃないと高音は出ない」という先入観を取っ払ってあげないとです。
男声の場合はとくにそうでしょうね。
女声の場合は、どんな声でも高音が出ないということはまず無いので、「出ている高音を声楽的に整える」という観点からレッスンすることが多いです。
さて、S君にとっての地獄はここからです。高音は正直どうだっていいです。パッサージョ域の歌い方を分かるまでは、歌うことがめちゃめちゃ苦行になるはずです。
私も何度心が折れそうになったことか。。。
彼も仕事が忙しい方なので、なかなか頻繁にはレッスンしてあげられませんが、彼のやる気が続く限りは教えていきたいと思っています。