声楽・合唱と車好きのブログ

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ファルセットの息③

ファルセットを自由に使えるようになったら、男声はベルカントを学ぶスタートラインにようやく立てました。ここからは、男声も女声も同じ方法論で学びます。


とは言え、ひたすらファルセットの練習だけしてその間本番は一切歌わない・・・ということができるならまだしも、実際にはそれは非現実的です。本番では、そのときの技術、筋肉の発達度合でできるベストを尽くすしかありません。


レッスンをする先生は、そのときの生徒の声に見合った曲、あるいは役を歌わせるべきです。20代の生徒にヴェルディやプッチーニを歌わせるのは、私は避けるべきだと思います。何より私がまだ20代ですから、少なくとも30代前半まではモーツァルトやベルカントオペラを勉強するつもりです。もちろん、Y先生も同じ考えです。


さて、話が逸れましたが、ではファルセットの息をどう実声に転換していくのかという話です。これについて私がこうこうこうです、、と書くのは簡単ですが、文章を読んで実践できるような代物ではありません。それを踏まえた上で、今の私にわかることを書いてみます。


■支え方


息の支え方(アッポッジョ)の感覚は、純粋なファルセットを発声するときと基本的には同じです。すなわち、肋骨下部を気持ちよく拡げたら、あとは息を前方に送り出す力(ソステネーレ)の働きに身を任せるということ。


ファルセットの練習が終わって実声のアクートを学ぶときに一番間違いやすいのがこの支え方だと思います。ファルセットで歌っていたときよりも支えを強化しなければいけない感覚のときには、十中八九ファルセットの息が乱れているはずです。


歌いにくいときに、支えを強化しなければならない!と考えるのではなく、ファルセットの息を上手く作れていない!と考えた方が間違いにくいのです。


まぁ言うだけなら簡単です^^;これを理解するのに私は5年はかかりました。


■息の出口


個人差はありますが、息の出口を正しく設定することがとても大事です。よく言われるのが、”マスケラで響かせる”ということですが、響かせるということよりも、マスケラから息が抜けていく感覚の方がずっと大事です。なぜなら、その感覚があれば自然とその息に響きが付加されてホールの奥まで飛んでいくからです。


この位置ばかりは自分で見つけていただくしかないのですが、大体の人は目線の高さ、あるいは頬骨のあたりに設定すると上手くいくようです。ただし、私の場合は世間で言われているよりやや下、小鼻の横あたりにスイートスポットがあります。


スイートスポットと表現したのは、そこで息が吐けているとき、全音域が自動化されて完全な楽器になることができるからです。


ところで、ベルカントのメソッドで、うなじから息を吐く、とか、胸に息を集める、とか息を吸い込むように歌う、とか息の指向性について様々な考え方があるのを目にします。これらについては私は、伝統的ベルカントと近代ベルカントの違い、として理解しています。伝統的ベルカントの息の指向性は、真っ直ぐ前へ、これだけです。その他の息の指向性を採用した場合、たまたま何かのバランスが整って一時的に改善されることはあると思いますが、そこでずっと歌っていたら必ず不具合が出てくると思います。


あるときは、うなじ、あるときは胸、今日は頭頂から抜いたらよくなった!・・・こういう試行錯誤をしている人がいるかもしれませんが、こんなことは発声研究家の人がやればいいことです。一人の歌い手としてホールに立てば、息の指向性は前以外にないことが嫌でも理解できますからね。


ファルセットについては、いったんここで終わります。

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