マスケラについて
ベルカントの呼吸法を理解してくると、最終的(と言っていいのかわかりませんが)にはマスケラをどう考えるかというところに行き着くような気がしています。
マスケラのことを理屈で考えてマニュアル化しようとすると、多くの場合発声に迷いが生じます。また、マスケラについては、声楽教師の数だけ考え方があるとも言え、唯一無二の正解を導き出すのは不可能に近いです。
とは言え、現在の私の見解を少しだけ書いてみたいと思います。
まず、マスケラに「響きを集める」という教え。私は、この感覚はありません。響いている、あるいは、響きが集まっている感覚はありますが、人工的に響きを集めることはしていません。
私はこのことを生徒に教えるときには、”ポジション”という言葉を使っています。マスケラでポジションを取るんだよ、と指導しています。ポジションと言ってわからない人には、ポジションとはすなわち音程を取るところ、と教えています。この辺りのことは1回のレッスンで説明すれば大体理解してもらえるところです。
難しいのはその先で、マスケラをどの範囲でとらえるのか、どの部分で息を吐くのか・・・という話。
理屈っぽい人間なのでこの辺もマニュアル化したいのですが、10年歌ってても結論は出ませんね。。。
1つヒントになるのが、鼻です。Y先生も、鼻先で歌う、あるいは鼻先に母音を置く、ということをよくご指導くださいますが、意外と息は積極的に鼻に入れて大丈夫です。
息を鼻に入れて鼻声になる場合は、口の前で発音することができていないと思います。
マスケラについては、そのうちまた書くことになると思います。