S君(バリトン)レッスン(12/10)
昨日に続いて、レッスンの振り返りです。
Hさんがレッスンをお休みされることになったので、代わりというわけではないですが、S君のレッスンを引き受けることにしました。
まず声の傾向を掴むために音階を発声してもらったところ、低音域は地声、中音域は地声張り上げ、高音域は裏声という発声をしていました。まぁつまるところ、典型的な初心者ですね^^;
これまで発声について先生に習ったことある?と聞いたところ、学生の頃はボイストレーナーが合唱団にいて直接教えてもらっていたそうです。
おいおい、それでこの発声なのかよ・・・^^;これは、彼が悪いというよりも、日本の声楽家の指導力の無さが問題でしょうねぇ。
何から教えようか、、、と困ったのですが、今の状態で呼吸や支えの話をしても絶対に理解できないと思ったので、声帯の機能的な話から入り、ファルセットの重要性を説明しました。
どうやらS君は、レッスンに来て一発で上手くなるやり方があると信じていたらしく、随分と不満そうな顔をしていました笑 まーそうだろうね、大体の人は歌に対してその程度の認識しか無いと思うよ。というか、こんなに難しくて専門的な世界に足を踏み入れるよりは、楽しくわいわい歌って喜んでる方が精神的には健全だろうと思うしね。いや、皮肉とかじゃなく、本当にそう思います。
S君がレッスンの継続を望むのかはわかりませんが、私に習うのであればベルカント以外の響きは聞きたくありません。まずは、当分の間ファルセットで練習するように、と指示を出しました。私が許可するまでは、実声で高音を歌うのは禁止です。彼の場合は、まず発声の概念から変えていく必要がありますからね。
男性の発声は女性に比べて非常に根気が要ります。生徒にも覚悟が必要ですが、先生にも覚悟が必要だと思いますよ、ほんと。1年や2年でどうにかなるものではないです。
S君の次回は1月になりました。私としては、彼の声の状態を鑑みるに、無理に声楽を学ばなくてもいいのでは?と思いますが、生徒が望むのであればできる限りの指導はしてあげるつもりです。