Y君レッスン(11/13)
テノールのY君のレッスンでした。
第九を歌うと声が最後まで持たない、とのことで、歌わせてみたところ、全体的に声が引っ込んで遠くへ歌えていなくなっていました。
第九は厄介です、余裕で暗譜するほど毎年歌いこんでいる人ほど妙なプライドがあり、滅茶苦茶な歌い方をするものです。Y君はだいぶ周りの悪声にやられてしまったようでした。
まずは、ベルカントの基本である呼吸法に戻り、”呼吸法以外で歌わない”ことを徹底するように指示しました。30分ほどでいつもの感覚が戻ってきたようでしたので、第九に戻ります。
言葉をつけると癖が出てしまうので、A母音で十分に息の流れを確認してもらった後母音唱にしてもらい、ようやく何とか形になってきました。
「ずっと歌いやすくなりました!」とのことで彼にも笑顔が戻ってきて何より。しかし、レッスンでわかってもそれを1人でできるようになるまではとても長い時間がかかります。
そもそも第九の譜面は、20代のテノールが歌う譜面ではないように思います。楽譜を見れば見るほど、声を失う危険に満ちたフレーズばかりです。
30代に差し掛かろうというバスバリトンの私でようやくサマになるくらいですから、25そこそこのテノールでまともに歌うことができないのはある意味当たり前です。
とにかく、周りに対抗しないで、自分が使える最も軽くて明るい声で歌うことを徹底するようにお願いしました。
彼は多忙で1月に1回来れるか来られないかという状況ですので、1回のレッスンでかなり内容を詰め込まないといけません。随分内容の濃いレッスンとなりました。
次の予約は28日にHさんが入っていますが、それまでにNさんがいらしてくれるのかな?というところ。